酒蔵インタビュー

第十二回 恵那醸造株式会社 (岐阜県中津川市)

創業1818年。

2018年に200周年を迎えたの岐阜県中津川市の福岡という地に佇む酒蔵。山間の中、美しい自然に囲まれ醸される日本酒の味わいは優しさに溢れている。

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7代目社長 長瀬裕彦 氏

「日本酒は人を幸せにするもの

Interviewee:社長 長瀬裕彦 氏(以下 長瀬

Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴

美宴:去年200周年という大きな節目を迎えられたんですよね。おめでとうございます!

 

長瀬:ありがとうございます。私で7代目となり、酒造りを200年続けております。

 

   兄弟は姉が2人で自分が長男となるので、なんとなく小さな頃から、

 

   後を継ぐことは自然だと思いながら育ってきました。

 

美宴:長期に渡り伝統を受け継いで行くことは本当に素晴らしいことですね。

 

   ところで「鯨波」という銘柄の由来は何ですか?

 

長瀬:それよく聞かれるんですよ!海もないのにどうしてですか?って。

               昔、ここから眺めた景色にちなんでつけられた名前で、雲が鯨に見えたそうなんです。

 

   一代目の時は、山の名前をつけていましたが、二代目の時に鯨波に変わり、そのまま続いています。

 

美宴:実際にそれに似たような景色に見えたことはありますか?

 

長瀬:んー、あんまりないんですよねー(笑)

 

美宴:長瀬さんのホームページに良いお酒を目指すと書かれてありますが、

 

              長瀬さんが思われる良いお酒とはどのようなお酒ですか?

 

長瀬:やはりちゃんと作ることですね。

 

               地元の物を大切に使っています。

 

               地元米のひだほまれはもちろん、地元で作られている五百万石も使ったりしています。

 

美宴:去年2018年に、新酒鑑評会で金賞受賞されましたね。おめでとうございます!

 

長瀬:ありがとうございます。しばらく大吟醸を作っていなくて、ここ20年、30年の間では初めての受賞となりました。

 

美宴:このような受賞を通じて、知名度などに影響を感じますか?

 

長瀬:そうですね。最近はコンテストがたくさん増えてきていて、

 

               何が影響しているのかよく分からない部分もありますが、

 

               新酒鑑評会は、やはり日本全国での一番歴史があるものですし、信頼度が高いんじゃないでしょうか。

 

美宴:最近はよく営業にお出かけになられているようですね。反響はいかがですか?

 

長瀬:東京へは15年ほど前から行っていますが、

 

              やはりものすごく巨大なマーケットの中で何が残っていくかは常に考えさせられます。

              名古屋では、中津川という地名を知っている人たちも多いので、受け入れられやすいですね。

 

               親しみを持っていただきやすく、消費者との距離も近いように感じます。

 

美宴:またその地域によって受け入れられるお酒のタイプも違いますよね。

 

長瀬:そうなんですね。どうしてもブランドが優先する地域もありますから。

 

              その中でも、中部は何をしていくのか?中部には中部の強みがあると思います。

 

               関東や関西とは違う、セントラルジャパン。

 

               中部国際空港もありますし、地元愛を強く、大事にしていきたいですね。

 

美宴:たしかに、そうですね!輸出は考えられていますか?

 

長瀬:輸出はまだですね。国内でいっぱいです。

 

              昔から鯨波は、ほぼ中津川市のみの販売でした。

 

              お酒は本来地元で飲んでもらうのが一番良いと思っています。

 

              年間200石弱の小さな蔵ですので。

 

美宴:なるほど。酒蔵として一般の方々に伝えたいことは何ですか?

 

長瀬:文化としての酒造りもそうですし、

 

              こんなところにも酒蔵があるんだよ、

 

              ということを伝えていきたいですね。

 

美宴:本当に空気が綺麗で良いところですよね。

   日本酒とはどのようなものだと思われますか?

 

長瀬:自分自身もお酒が好きなので、呑むのは楽しいですし、人を幸せにするものだと思います。

 

   お酒には国境がないですし、人を和ませるものですね。

 

美宴:まさにノーボーダー!国境がないですね。

   酒作りで大切にされていることは何ですか?

 

長瀬:この地で造るということかな。水は自然に流れてくる山水を使っています。

 

   井戸を掘る必要がないぐらい山水には恵まれていて、昔ながらの砂利の層を通し、

 

​    濾過をした軟水を使っています。

 

美宴:砂利の層ですか!それはすごい。

 

   鯨波のお酒の特徴を簡単にあらわすと?

 

長瀬とがった酒を造っていないです。酸のたったお酒を作らない。

 

   甘すぎず、辛すぎずがうちの特徴です。軟水を使っているので、やはり柔らかな酒質にもなっていますね。

 

美宴:日本酒って造り手さんの人柄があらわれますよね!

 

長瀬:ぶどう本来の味や自然の力が主に影響するワインと違い、

 

   日本酒はお米自身に味があるものではなく、

 

   人の手がかかっているものなので、

 

   たしかに人柄で味が変わりますね。

 

美宴:今後のビジョンがありましたら教えていただけますか?

 

長瀬うちの敷地内で米も作っているので、もっと地元を大切に。

 

   そして皆さんに知ってもらい足を運んでもらいたいです。

 

   近くに馬籠もありますし、ぜひ遊びにきてもらいたいですね。

 

   今年は8月17日に酒蔵解放も開催予定です。

 

   今後も皆さんに気軽に立ち寄ってもらえるよう定期的に開催していこうと思っています。

2013 bien-美宴

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